日本型直接支払制度

農業や農村は、農作物の生産だけでなく、国土保全や水源かん養、自然環境保全、景観形成などの多面的機能も有しています。
しかし、高齢化や農業人口の減少により近年はその多面的機能の展開や地域の共同活動が困難になりつつあり、また、水路や農道などの地域資源の維持管理の負担も増加し、担い手の規模拡大の大きな障害となっています。

農業、農村が持つ多面的機能が今後とも適切に発揮され、担い手の育成を後押しすることを目的として、「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」が2014年(平成26年)に成立されました。
地域活動や営農の継続などに対して支援を行っています。

同制度には、「中山間地域等直接支払」、「多面的機能支払」、「環境保全型直接支払」の三種類があります。

中山間地域等直接支払

《中山間地域等直接支払制度、中山間地域等直接支払交付金、中山間地域等直接支払事業》
農業の生産条件が不利な中山間地域において、集落などを単位に農用地を維持・管理していくための取り決め(協定)を締結し、その取り決めに従って農業生産活動などを行う場合に面積に応じて一定額を交付する仕組み。
対象となるのは、地域振興立法で指定された地域において傾斜があるなどの基準を満たす農用地。また、集落などを単位とする協定を締結し、5年間農業生産活動を継続する農業者など。交付金は、協定参加者の話し合いにより、地域の実情に応じた幅広い使途に活用できる。
「集落機能強化加算」は、中山間地域等直接支払制度で2020年度(令和2年度)から新たに設けられたもので、新たな人材の確保や営農以外の集落機能を強化する取り組みを行う場合に加算される。

多面的機能支払

《多面的機能支払制度、多面的機能支払交付金、多面的機能支払事業》
農業や農村が持つ多面的な機能の維持や機能の発揮を図るための地域の共同活動を支援し、地域資源の適切な保全管理を推進する目的で設立された。 農村の過疎や農業従事者の減少を受けて、地域共同で行う多面的機能を支える活動や地域資源(農地、水路、農道など)の質的向上を図る活動を支援。対象事業ごとに以下の2つの交付金がある。

  1. 農地維持支払(農地の草刈り、水路の泥上げ、車道の路面維持等)
  2. 資源向上支払(水路のひび割れ補修・長寿命化のための活動、農道の窪みの補修・長寿命化のための活動など)

環境保全型直接支払

《環境保全型農業直接支払制度、環境保全型農業直接支払交付金、環境保全型農業直接支払事業》
環境保全型農業直接支払交付金では、農業の持続的な発展と農業の有する多面的機能の発揮を図ることを目的に農業生産に由来する環境負荷を軽減するとともに地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い農業生産活動を支援している。
当交付金の支援対象となる農業者の要件は以下のとおり。

  1. 主作物について販売することを目的に生産を行っていること。
  2. みどりのチェックシートに定められた取り組みを実施していること。
  3. 環境保全型農業の取り組みを広げる活動(技術向上や理解増進に関わる活動など)に取り組むこと。

支援は、化学肥料・化学合成農薬の使用を都道府県の慣行レベルから原則5割以上低減する取り組みとそれに併せて行う以下の活動が対象となる。

  • 有機農業
  • 堆肥の使用
  • 草生栽培
  • 不耕起播種
  • 長期中干しほか
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