「農村RMO」形成を支援=農地保全や生活維持で―農水省

「農村RMO」形成を支援=農地保全や生活維持で―農水省

農林水産省は2022年度、人口減少が進む中山間地域の農地保全や生活維持に向け、「農村地域づくり事業体(農村RMO)」の形成支援に乗り出す。複数の集落の農家と、自治会や社会福祉協議会といった地域の関係者が連携して協議会をつくり、農地の草刈りや買い物支援といった実証事業などに取り組む場合、国が補助する。同年度予算概算要求に関連経費を計上した。

中山間地域では人口減少が都市部に比べ進んでおり、総戸数が9戸以下となった農業集落も増えている。農水省によると、農地の保全などの集落活動は総戸数が10戸を下回ると、急激に実施率が低下する傾向にあるという。

集落機能の維持に向け、農水省の有識者検討会は6月に示した中間取りまとめで、農地や水路など地域資源の保全や農業振興と併せ、地域コミュニティーの維持に資する取り組みも行う農村RMOを育成する必要性を盛り込んだ。これを踏まえ同省は22年度、農村RMO形成に向けた体制づくりや、実証事業などの支援を始める方針だ。

具体的には、複数の集落による「中山間地域等直接支払交付金」の集落協定や農業法人といった農家を母体とした組織と、地域の関係者が連携し、小学校区程度のエリア内で協議会を設立。地域の将来ビジョンを話し合った上で、具体的な行動計画を策定し、実証事業などを進めてもらう。活動内容として、農地の草刈りやインフラの補修のほか、直売所や農家レストランの運営、買い物や子育て支援などを想定している。

協議会を立ち上げて将来ビジョンをつくるまでの取り組みに対しては、同交付金の集落機能強化加算を拡充。同加算は現在、新たな人材確保や営農以外の組織との連携体制をつくる集落協定に対し、10アール当たり3000円を支援しているが、農村RMO形成を目指す計画を集落協定が提出すれば追加加算を講じる考えだ。詳細は財政当局と調整する。

一方、新たに始める「農村RMO形成推進事業」では、協議会による計画策定や実証事業の費用を3年間定額で支援。上限額は予算編成過程で詰める。都道府県がJAや集落支援員、NPOなどと連携したチームをつくり、地域の農村RMOの形成を支援する場合の補助も実施する。(了)

記事掲載日:21/09/21

出典:iJAMP(官庁速報) https://www.jamp.jiji.com/info/

「中山間地域等直接支払制度」とは
▶農林水産省HPはこちら
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