農地有効利用へ手続き迅速化=荒廃防止や活性化提案で―農水省

農林水産省は、農地の荒廃を防ぐ事業や農村の活性化に向けた施設整備を地域の農林漁業団体が自治体に提案する場合、農地転用などの手続きを迅速化できる仕組みを設ける方向で調整に入った。人口減少や農業者の高齢化が進む中、農地を有効利用して地域を維持・発展させる取り組みが円滑に行われるよう促す。次期通常国会に農山漁村活性化法改正案の提出を目指す。

農業の担い手減少により、農地の維持管理が困難になるケースが増えると予想される。これを踏まえ農水省の有識者検討会は6月、政策努力を払ってもこれまでと同様の利用が難しい場合、放牧や景観作物の栽培など通常の農業より手のかからない方法での生産継続や、シカやイノシシの被害を防ぐ鳥獣緩衝帯としての利用、計画的な植林に取り組む方向性を打ち出した。

こうした利用を行う際、農業振興地域制度に基づく農用地区域内の農地の除外(農振除外)や農地転用といった複数の手続きが必要となるケースがある。ただ、手続きを個別に進めると時間を要するため、農水省はワンストップで対応できる仕組みを設け、荒廃抑止などの取り組みをスムーズに進められるようにする考えだ。

具体的には、農村型の地域運営組織(農村RMO)など地域の農林漁業団体が農用地の保全に向けた対応を提案した場合、自治体が関連の手続きを一括で行えるようにすることを検討。優良農地は残すことが前提となる。農山漁村の資源と観光など他分野を組み合わせて新しい事業を創出する「農山漁村発イノベーション」に資する施設整備を提案する場合も対象とし、地域の雇用創出などにつなげる。対象施設などは今後詰める。

農村RMOの形成や農山漁村発イノベーションの推進に向けては、2022年度予算案でも支援を講じる方針だ。

農水省はまた、市町村が地域の農業者らの意向を踏まえた上で、「有機農業」や「放牧」など農用地区域内の土地の詳細な用途の指定を進めるための省令改正も検討する。地域の意見を反映させ、有効な土地利用につなげる考えだ。(了)

記事掲載日:21/12/16

出典:iJAMP(官庁速報) https://www.jamp.jiji.com/info/

農山漁村振興交付金のうち「農山漁村発イノベーション対策」とは
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